Honnobassui
yonda hon de kininatta tokoro memo
2010-05-23
16
焦げた手拭いを頬かむりした中年の女が二人、ぼんやりと路傍に腰を下ろしていた。風が吹いて、しょんぼりした二人に、白い砂塵を吐きかけた。そのとき、女の一人がふと蒼空を仰いで、「ねえ・・・また、きっといいこともあるよ。・・・」と、呟いたのが聞えた。
自分の心をその一瞬、電流のようなものが流れ過ぎた。
(s20.3.10)
山田風太郎「戦中派不戦日記」
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