2010-05-26

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さなり。また、さにあらず。かの痛みは忘れど創痕を吾人の魂深くとどめたり。
無意識ながらも、その創痕永遠に消ゆることあらじ。これ吾らの運命なり。―いま幼児また後に生まれんとする子ら、新しき教育受けて吾らのこの執念を時代遅れと笑うべし。
(s20.10.1)

山田風太郎「戦中派不戦日記」

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