「なぜあなたはあの無謀な戦争をやめさせるように上層部に進言しなかったのか」というような質問に対して、今村はおだやかな表情で「敗戦の責任は自覚しております。私は罰せられることを望んでいるだけで、ほかにお答えすることはありません」と答えるだけであったが、心の中で「あの戦争は日本民族が存続するための活路を見いだそうとした、やむにやまれぬ戦争であり、後世の史家は必ず太平洋戦争のアジア解放の世界的意義を明らかにするだろう」とつぶやき、この信念は最後まで変らなかった。
いろいろな意味で、彼を太平洋戦争における陸軍第一の「名将」とする声は高い。
山田風太郎「人間臨終図巻Ⅲ」(今村均)
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