2010-07-13

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優れた官能小説家は“百戦錬磨派”か“一穴主義者”のどちらかだという二分法に従えば、山田氏は明らかに後者だろう。だからそのセックス描写は、というよりまず設定そのものが、ワイセツというよりはナンセンスなユーモアにまで昇華され、リビドーより先に笑いをもたらすのだ。-略-
だが、そこにあるのはセックスの情緒的な――扇情的なといってもいい――部分をきれいに削ぎ落とした「乾いたストーリー」である。

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