2010-10-06

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前にあるのを知らず、後ろにあるのを知らず、右にあるのを知らず、左にあるのを知らず、己にあるのを知らず、ただ何者かが来て私の心志を奪い、私の手を取り、私の情を激して、私に私の思わないことをさせる。この時私の全身は燃え、私に知覚があってもないに等しい。私は何をし何を書いているのかを知らない。ただ知る、彼が私を去った後に、私は彼の手にあって私以上のことをしたと。(5/28)

内村鑑三「一日一生」

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