2010-11-20

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彼は一瞬のあいだ、敵意をではなく、淡い郷愁を感じていた。彼は彼女がじぶんの生活に、部屋や椅子と同じように属していることを意識していた。彼女は彼を補完する何かであった。(略)彼のなかの最も邪悪なものが彼女を必要としていた。そのものは善なしにしのいで行くことができないのだ。

グレアム・グリーン『ブライトン・ロック』

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