2011-03-02

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今の日本の舞踏界になんの役にも立ちそうでない本であることが、反って彼を安心させると言えば言える。自分の仕事によって自分を冷笑することは、甘ったれた楽しみなのだろう。そんなところから彼の哀れな夢幻の世界が生れるのかもしれぬ。旅にまで出て急ぐ必要はさらさらない。

川端康成『雪国』

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