2011-12-09

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勉強の傍ら、勧銀の入社試験を受けて落ちました。
弟が僕の部屋へ来て、「お父様がね、お兄が可哀想だ可哀想だと云つてるよ、とても絶望落胆してると思つてるよ。」僕「へえ、僕は大抵のことはへこたれないんだけどね、昼寝すれば何でも忘れてしまふ人間だがね、……しかしお父さまには絶望落胆してゐると思はせておく方がいいんだよ。」僕はこんな親不孝なことを言ひながらも、一寸オヤヂに好意をもちます。

『川端康成・三島由紀夫 往復書簡』
(S22.7.17 三島→川端)

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