2012-04-20

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どこかで、こんなことがいわれている――人生は神々の音楽である――そのすすり泣きと哄笑する声、その歌と悲鳴と祈り、その歓びと絶望の叫びは、神々の耳には、完全な諧音としか聞こえないのだ、と……。であればこそ、神々は苦痛の音色を消そうとは思われなかったのである。もし消せば、神々の音楽はそこなわれたであろう!そのいかなる組合わせも、苦痛の音色がなければ、神の耳にはえがたい不協和音となるであろう。 (「焼津にて」)

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