2010-05-24

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日本をこの大局面に追いこんだのは青白き理屈屋にあらず、理屈を頭から食わず嫌いにする車屋的人夫的連中なり。日本人はもう少し理屈っぽくならねばならず、全体としてその理屈の量と質がレベルをあげて、物事の解剖、総合、批判などがお互いに理屈とは感じられなくなるまでにならねばならぬと痛感しきりなり。かかる習慣が長き歴史の間に科学精神を養うなり。今となってあわてて「天才教育」などやるは無益無意味にしてばかげたことなり。
(s20.7.2)

山田風太郎「戦中派不戦日記」

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