2010-06-02

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昭和五十九年、彼の肖像は一万円札になったが、彼が知ったら立腹するだろう。千円札の漱石に至っては、いうもおろかなりである。
最もこういうことをきらいそうな人間を、そろいもそろってよく紙幣の肖像に使ったものだが、人間死ねば生きているやつに何をされても無抵抗である。

山田風太郎「人間臨終図巻Ⅱ」(福沢諭吉)

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