2010-06-11

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戦国時代の野武士はしらず、徳川以降においては、日本左衛門こそは最大の盗賊であったろう。彼のひきいる盗賊団は、主として美濃、尾張、三河、遠江、駿河、伊豆、相模、近江、伊勢の九ヶ国を荒らしまわったが、その劫略ぶりは、ほとんどこれらの国々に大名も陣屋もないかのごとく傍若無人であった。

山田風太郎「白波五人帖」

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