2010-07-04

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「伸が食を断って死のうと考えた理由は、自分個人のために多くの人たちが自分の仕事を置き、貴重な時間をさいて見舞いに来るが、そのロスは総計すると大変なものになり、国家的な損失になる。
自分が死ねばそれが食いとめられる、という考えからのようであった」
生きている意味を、他人とのかかわりあいに見る人間なら、つきつめるとこういうことになる。

山田風太郎「人間臨終図巻Ⅲ」(長谷川伸)

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