2010-07-15

345

明るすぎる神秘が、今度は目をくらましたのだ。
水平線上で海と空とが融け合うように、たしかに夢と現実とは、はるか彼方では融け合っていることもあろうが、ここでは、少なくとも本多その人の身のまわりでは、人々はみんな法の下におり、又、法に護られているにすぎなかった。

三島由紀夫「豊饒の海・奔馬」

0 件のコメント:

コメントを投稿