この世は不完全極まる世であるという、まことに、身の快楽を得るためには実に不完全極まる世である。しかし神を知ろうとするためには、そして愛を全うするためには、私たちはこれよりも完全な世について思考することはできない。忍耐を練ろうとして、寛容を増そうとして、そして愛をその極致において味わおうとして、この世は最も完全な世である。私たちは遊戯所としてこの世を見ない、鍛錬所としてこれを解する。これによりその不完全であるのを見て驚かない、ひとえにこれによって私たちの霊性を完成しようと計る。
内村鑑三「一日一生」
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