2010-10-29

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雪と窓ガラスの霜の花をとおしてさしこんだ冬の太陽が、ワモワールの上でちらちらし、そのすがすがしい光が、フィンガー・ボールの中で水あびしていた。部屋は暖かかった。少年たちは、こおったからだの中で、暖かさと寒さがたがいに負けまいとして、くすぐりあうのを感じていた。
(「少年たち」)

チェーホフ「カシタンカ・ねむい 他七篇」

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