「一国家の秩序ないし無秩序は、天から降ったり、地から湧いたものによって決まるのではない。それは国民の性情によって決定されるのである。国民の性情が秩序にむかうか無秩序にむかうか、その鍵は、公的な動機によるか私的な動機によるかによって分れる。(略)公心とは、正しく義務を守ろうとする心がけである。それがひろく行われればすなわち家にあっても、町にあっても、国にあっても、ひとしく平和と繁栄をもたらすであろう。私心は、利己的な動機に駆られたものである。それがひろまるとき、混乱と無秩序は避けられない。」(ある日本人の著述家の西洋の事物についての意見より)
(「日本人の微笑)」
『小泉八雲集』上田和夫訳
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