2010-05-27

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純情といわんか痛々しきまでに柔らかなりといわんか、時に余まで苦しくなることあり。
(松柳の敏感なるは、法医学に於けるSump法のごとく、対話者の感情が、その柔らかなる製造中のセルロイドのごとき魂に微細に印せらるるのみならず―またその印が魂に痕を刻み、これを傷つく。)
(s20.10.10)

山田風太郎「戦中派不戦日記」

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