2010-08-20

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日もすがら夜もすがら、海と船と港とに縛しめられ、ただ見ることが、凝視することが、この部屋の純粋な狂気にまでなっていた。その監視(ワッチ)、その白さ、そのあなたまかせ、その不安定、その孤立そのものが船だった。

三島由紀夫「豊饒の海・天人五衰」

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