2010-08-25

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透の心の鋭利が、もはや囊(ふくろ)を突き出た錐のように、人を傷つけたくてうずうずしていた。一度古沢で味をしめたからには、次には誰を傷つけることができるかと目を周囲に放った。

三島由紀夫「豊饒の海・天人五衰」

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