2010-08-31

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透の心の鋭利が、もはや嚢(ふくろ)を突き出た錐のように、人を傷つけたくてうずうずしていた。(略)錆ひとつつけずに磨きぬいた純粋さは、早晩兇器に転身するものだ。

三島由紀夫「豊饒の海・天人五衰」

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