2012-02-28

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いつも彼は、不自由を喜び迎えたのである。裸の岩でも、ほかによいものが見つからないときは、彼にはりっぱな寝床であり、松の木の根もすばらしい枕になった。彼のからだは鉄のようであった。露にも、雨にも、霜にも、雪にも、決して悩まされなかった。
(「ろくろ首」)

『小泉八雲集』上田和夫訳

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