2012-05-24

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ぼくはその時以来、ミュンシュとつきあう場合は、彼の興味を惹く物が消えるまでは、じっと待っていなければならないことを知った。こういうことは大人の世界にはない。子供の世界にだけあることなのだ。そうした子供の心が、彼の音楽をいつまでも純粋で若々しく、美しく輝かしているのに違いない。彼をよく知る者はそのことを音楽的な言葉で表現している。 「ミュンシュの目はフォルティッシモを作るし、ピアニッシモを作る。指揮をしている時の目には音楽以外の何物もない。彼は、純粋に音楽に生きられる最後の人かもしれない。」

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